あとがき



 朝日新聞の声欄に投稿した私の一文です。
 私の新天地、という特集のトップに掲載されました。
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 ネットで開花 中高年の知恵
 借金数千万円、無収入。50歳過ぎた元社長では就職もままならない。しかも、気だけは若く、再婚した24歳年下の妻は妊娠中。
 破れかぶれでパソコンを独学し、インターネット上に店舗(ウェブショップ)を開設してみた。ネットの世界を構築している多くは若い技術者で、物を売る専門家は少ない。また、ハンドルネーム(愛称)でやりあうなど、学生の部活のノリの世界だった。
 これを変だと思う、おじさんの常識的な考えや手法が受け入れられた。成功例が少なく不毛だといわれるウェブショップだが、5年たった今では、月に1千万円売れることもあり、そのいきさつをまとめた本を出版するまでになった。
 リストラなどで行き場のない中高年の新天地は、意外とインターネットの世界かもしれない。それまで培った経験を生かす気概を失わず、若年寄にならなければ、の話ではあるが。
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 それなりにインターネットで成功している私のもとへ、けっこう相談が持ち込まれます。大手企業のウェブ担当者や、会社をリタイヤしてウェブショップを始めた方々です。決まって「うまくいかないけど、秘訣を教えて欲しい」という内容です。
 リタイヤした、といわるものの会ってみると、どうやらリストラされた方が多いようで、もう、失敗は許されず、真剣に話をされます。とくに中高年の方だと、ついこの前までの私自身の姿とダブって見えて、ついつい、ていねいに受け答えしてしまいます。

 インターネットは、プログラマーを中心とする優秀な若い方たちが構成する世界です。私は、インターネットに欠けているものは、中高年の常識と知恵だと思います。ウェブショップで買い物をしてもいいと思う方が50%を超えました。しかし、売れるウェブショップはほとんどありません。潜在需要はあるのに、供給する側に問題があるため、なかなか売れないという図式です。この図式を打ち破れるのはプログラマーではありません。中高年や主婦、あるいは商売に失敗した経験者の常識と知恵なのです。

 知恵と常識が仮にあったとしても、パソコンには多少はいじれるけど、インターネットにウェブショップを持つなんて、とてもとても、と考えるかたが多いことでしょう。
 たしかにホームページを作るな方法なんて想像もつかないのが当たり前かもわかりません。しかし、私の経験では意外となんとかなります。ホームページを作ろうと思ったら、かんたんに作れるソフトが売られています。しかも、おじさんの常識からすると安すぎると思える5千円くらいからあります。こうしたソフトのいちばんの特徴は、一昔まえのワープロのような分厚いマニュアルは付いていないことです。その代わりに電話でのサポートがあります。ですから、ここで思い悩むことはありません。
あるいは、すでにウェブショップを持っているけど、なかなか売れなくてお困りの方もご安心ください。

本書では、50歳過ぎからパソコン入門して成功した私の「おじさんの常識と知恵」を基本としたノウハウを、わかりやすく公開しました。これから入門したい方から、専門職であるプログラマーの皆さままで、参考にされ、ネットショップが成功することを願ってのことです。
数年前と違い、パソコンの利用者数や常時接続の急増などで、潜在需要はあります。いまは絶好のチャンスなのです。あとは、やり方ひとつです。むずかしく考えずに常識的にウェブショップを開いて知恵を働かせて運営してみてください。すぐそこにある成功があなたに訪れるかどうかは、あなたのやる気次第です。成功をお祈りいたします。