はじめに



 最初に、次の人をご覧ください。
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 50歳にして会社が倒産。
 その後、手形詐欺にあい、なんと6千万円の借金を抱える。
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 さて、この人をご覧になって、どう思うでしょう?おそらく多くの人が、

「破滅だ」
「かわいそうに」
「この人の人生は、もう終わった」

と思うはずです。私も、そう思います。
 若ければ、再就職して一から出なおすことも可能です。長い時間をかければ、6千万円の借金を返済することも可能です。
 でも、50歳という年齢ではどうしようもありません。借金を返すどころか、再就職もままなりません。自殺を考えてもおかしくありません。
 では、次の人はどうでしょうか。
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 58歳の経営者。ネット通販で成功し、月商はなんと1千万円の月も。
 若い奥さんと小さいこども4人で楽しく暮らす。
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 この人をご覧になって、どう思うでしょうか。おそらく、多くの人が

「人生の成功者」
「将来になんの不安もない、うらやましいかぎりの人だ」

 と感じるのではないでしょうか。特に、リストラで生活が脅かされている人は、なおさらそう感じることでしょう。
 実は、対照的なこの2人は私自身です。50歳にして多額の借金を抱えたのも私なら、ネット通販で成功をおさめたのも私です。

 私はかつてマーケティング会社を経営し、50人を超える社員を雇っていました。バブルの当時は景気もよく、ずいぶん儲け、肩で風を切って歩いたものです。
 ところが、バブル崩壊後、取引先が相次いで倒産し、みるみるうちに会社は赤字に転落。さらに運の悪いことに、手形詐欺にあい、6千万円の借金を背負うことになったのです。
 このときほどつらかったことはありません。実は、この一番つらいときに、24歳も年下の女性と結婚したのですが、甘い新婚生活を楽しむどころか、心中を考えたことさえありました。収入も途絶え、借金を返すあてもないまま、悶々とした日々を送りました。

 そんな私に一筋の光明がさしました。それは、パソコンでした。わが家のすみっこでホコリをかぶっていたパソコンを見て、「そうだ、パソコンを使って商売しよう。インターネットで商品を売ろう」と思いついたのです。
 このように言うと、私がパソコンに熟達していたと思うでしょうが、とんでもありません。パソコンの「パ」の字すら知りませんでした。当時の私は、パソコン音痴の典型的な中年にすぎませんでした。
 「ならば、パソコン教室に通って、一生懸命に勉強したのだろう」と思う方もあるでしょう。でも、私はパソコン教室へなど一度も行ったことはありません。パソコンはもちろんのこと、インターネットについてもすべて独学で学んだのです。

 「パソコン音痴の中年が、ネット通販を始めるなんて、あまりに無謀だ」と、だれしもが思うはずです。ましてやすべてを独学で習得するなど、もってのほかと感じることでしょう。
 私もそう思います。でも、いま改めてふりかえってみると、独学で試行錯誤しながらやってきたことがよかったのだと思います。もし、パソコン教室で勉強していたら、パソコンやインターネットの細かな技術にとらわれていたにちがいありません。パソコンの使い方は上手になったでしょうが、ネット通販では成功しなかったと思います。パソコンやインターネットの技術を習得することと、ネット通販という商売で成功することは、まったく別のことなのです。

 いま、ネット通販は脚光をあびています。でも、実際にネット通販で成功をおさめている人は、ほんの一握りしかおりません。なぜでしょうか。
 その理由はいたって簡単です。インターネットユーザーの気持ちになって商売していないからです。ネット通販というと、「やれホームページのデザインを工夫しろ」だの、「色彩に注意しろ」だのとアドバイスする人がいます。        
 たしかに、見栄えのよいホームページを作るためには、デザインや色彩も重要でしょう。しかし、ネット通販で成功するという観点からすれば、どちらも所詮は枝葉のことにすぎません。

 本書では、これから先、ネット通販で成功するためのノウハウを公開します。でも、それは決して机上の空論ではありません。すべて、私の実体験にもとづいた、いわば叩き上げの技術です。
 すでにネット通販を手掛けている方はもちろんのこと、これからネット通販を始めようとされている方が、本書の技術を使って、成功されることを願ってやみません。
                                         勝吉 章